明治公園で逮捕されて その6
東京地検での取り調べについて、鋭い指摘です。
それは官僚主義に重なる管理主義的な取り扱いが蔓延していると言うことなのだろう。
管理主義が以下に人権の対局にあるものか、ここで分かる。
日本のシステムの本質は留置場でわかるのか。
最初のほうで、弁護士がここに来たことをいい経験にして、
と言った言葉にこの方は素晴らしく、経験を自分のものにしています。
明治公園での逮捕(3月9日)、私の経験について、今後のために報告
│ します。脱原発運動の今後に少しでも役立てば・・・(連載その6)
└────(多辺田 政弘)
東京地検での取り調べ――「不起訴・釈放」へ
翌三月十一日の朝は東京地検へ送致され、取り調べがあった。
留置場の同室の二人の話では、地検に送致される時は、護送車に被疑者が一緒
に集団で乗せられて護送られ、地検の控えの大部屋に一緒に入れられ「木の固い
ベンチ」に並べさせられ、検事に呼ばれるまでじっと黙って待ち、自分が取り調
べが終わっても、最後の一人が終わるまで控えの部屋で待ち、夕方五時ごろに、
また集団で護送される、ということだった。
「この待ち時間が長く、かなりキツイ」と話していた。ただし、稀に「単独」送
致というのがあって、それは地検の取り調べ時間に合わせて送迎護送されるので、
あれは待ち時間が少なくて楽だと話していた。
九時ごろ、地検へ護送される者の番号が次々に呼ばれたが、私は呼ばれなかっ
た。聞くと、何やら「単独送致」ということで暫く待つように言われた。同室の
「六法君」が「いいなあ、早く帰れますよ」と羨ましがった。「親分」と「六法
君」は今日は地検に呼ばれる日ではない。
九時半ごろに、私は迎えに来た四谷署の三人の警察官に付き添われて小さな護
送車で湾岸署を出て東京地検に護送された。天気が良く途中大きな観覧車が見え
た。
東京地検の内部(地下?)は、白いコンクリートの部屋が四角い廊下の左右に
びっしりと詰まった「巨大な(四角い)蜂の巣」を思わせる監獄のようだった。
入口の所で、手錠・腰紐を掛けられ数珠繋ぎにされた十人近くの集団が並ばされ
て点呼を取られていた。なんとも家畜のような扱いだった。
「単独送致」の部屋は、その「巨大な四角い蜂の巣」のなかの一つの「小さな
巣穴」のようなものだった。ガラス張りの部屋で廊下を挟んで左右に並んでいた。
到着したのは十時過ぎ頃だった。部屋の中は個室列車(コンパートメント)のよ
うに木の長椅子が向い合って並び、その奥に上半分ガラス張りのトイレと手洗い
になっていた。それは留置場の部屋とほぼ同じ構造になっていた。四谷署員の一
人が私の横に、もう一人が前に、そしてもう一人が廊下の椅子に座って、私が検
事に呼び出されるのを待った。「ここで待たされるのが長いんだ」と私の横に座
った四谷署員がぼそりと言って、じっと目をつぶって座っていた。
そう言われてみれば、警察では何事も「待たせる」ということが平気になって
いて、恐ろしく時間に鈍感過ぎる、と思った。接見の弁護士さんや家族には情報
を与えず延々と何時間でも平気で待たせる。あんなにも人を待たせることに鈍感
になっているのは、警察官自身が警察内部で何も考えずにひたすら上からの指令
を待つことに日常的に馴らされているからなのだろう、とその時思った。そう言
えば、日本の官僚制システムとは、この「人間(他人)への鈍感さ」(つまり
「人権感覚の無さ」=「思いやりのなさ」)によって上から下まで習慣化されて
いる「鈍感なシステマチックな世界」なのだということに改めて思い至った。
それは官僚主義に重なる管理主義的な取り扱いが蔓延していると言うことなのだろう。
管理主義が以下に人権の対局にあるものか、ここで分かる。
日本のシステムの本質は留置場でわかるのか。
最初のほうで、弁護士がここに来たことをいい経験にして、
と言った言葉にこの方は素晴らしく、経験を自分のものにしています。
明治公園での逮捕(3月9日)、私の経験について、今後のために報告
│ します。脱原発運動の今後に少しでも役立てば・・・(連載その6)
└────(多辺田 政弘)
東京地検での取り調べ――「不起訴・釈放」へ
翌三月十一日の朝は東京地検へ送致され、取り調べがあった。
留置場の同室の二人の話では、地検に送致される時は、護送車に被疑者が一緒
に集団で乗せられて護送られ、地検の控えの大部屋に一緒に入れられ「木の固い
ベンチ」に並べさせられ、検事に呼ばれるまでじっと黙って待ち、自分が取り調
べが終わっても、最後の一人が終わるまで控えの部屋で待ち、夕方五時ごろに、
また集団で護送される、ということだった。
「この待ち時間が長く、かなりキツイ」と話していた。ただし、稀に「単独」送
致というのがあって、それは地検の取り調べ時間に合わせて送迎護送されるので、
あれは待ち時間が少なくて楽だと話していた。
九時ごろ、地検へ護送される者の番号が次々に呼ばれたが、私は呼ばれなかっ
た。聞くと、何やら「単独送致」ということで暫く待つように言われた。同室の
「六法君」が「いいなあ、早く帰れますよ」と羨ましがった。「親分」と「六法
君」は今日は地検に呼ばれる日ではない。
九時半ごろに、私は迎えに来た四谷署の三人の警察官に付き添われて小さな護
送車で湾岸署を出て東京地検に護送された。天気が良く途中大きな観覧車が見え
た。
東京地検の内部(地下?)は、白いコンクリートの部屋が四角い廊下の左右に
びっしりと詰まった「巨大な(四角い)蜂の巣」を思わせる監獄のようだった。
入口の所で、手錠・腰紐を掛けられ数珠繋ぎにされた十人近くの集団が並ばされ
て点呼を取られていた。なんとも家畜のような扱いだった。
「単独送致」の部屋は、その「巨大な四角い蜂の巣」のなかの一つの「小さな
巣穴」のようなものだった。ガラス張りの部屋で廊下を挟んで左右に並んでいた。
到着したのは十時過ぎ頃だった。部屋の中は個室列車(コンパートメント)のよ
うに木の長椅子が向い合って並び、その奥に上半分ガラス張りのトイレと手洗い
になっていた。それは留置場の部屋とほぼ同じ構造になっていた。四谷署員の一
人が私の横に、もう一人が前に、そしてもう一人が廊下の椅子に座って、私が検
事に呼び出されるのを待った。「ここで待たされるのが長いんだ」と私の横に座
った四谷署員がぼそりと言って、じっと目をつぶって座っていた。
そう言われてみれば、警察では何事も「待たせる」ということが平気になって
いて、恐ろしく時間に鈍感過ぎる、と思った。接見の弁護士さんや家族には情報
を与えず延々と何時間でも平気で待たせる。あんなにも人を待たせることに鈍感
になっているのは、警察官自身が警察内部で何も考えずにひたすら上からの指令
を待つことに日常的に馴らされているからなのだろう、とその時思った。そう言
えば、日本の官僚制システムとは、この「人間(他人)への鈍感さ」(つまり
「人権感覚の無さ」=「思いやりのなさ」)によって上から下まで習慣化されて
いる「鈍感なシステマチックな世界」なのだということに改めて思い至った。
by oomawotomeru
| 2013-04-23 23:15
| 原発一般
大間原発を止めるための情報交換
by oomawotomeru
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「小出裕章さんのおはなし」
2012年4月「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」をクレヨンハウスから出版しました。2011年3月変わってしまった世界を生きる子どもたちへ、この本を読んでよりよい未来を生きて欲しいとの願いをこめて書きました。
「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」著者:野村保子 監修:小出裕章
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%A5%E3%81%91%E3%82%8B%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97-%E9%87%8E%E6%9D%91%E4%BF%9D%E5%AD%90/dp/486101218X
「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」著者:野村保子 監修:小出裕章
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%A5%E3%81%91%E3%82%8B%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97-%E9%87%8E%E6%9D%91%E4%BF%9D%E5%AD%90/dp/486101218X
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